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ゼリーになってしまう。
「……ペッ、ペッ。ゼリーになったとはいえ、凄まじい衝撃であった……」
危うく、ゼリーに頭を打つけて死ぬところであった。
……おや?
我はゼリー化し、既に原形を留めていない朱雀の成れの果ての中に、キラリと光る物を発見する。
ソレを拾い上げると、それは、
「宝石? いや、宝玉か……」
紅く、炎を固めたような宝玉。確か、朱雀の胸元にあったモノだ。
Jフィールドを潜ってもゼリーにならなかったところを見るに、コレは只の物質ではないということ。
「──そこの貴方、その宝玉を渡しなさい!」
またもや唐突に響く少女の声。
だが、今回は周囲を見渡すことなく、我の前に朱雀とは異なる竜と風をモチーフにした青色の衣裳に身を包む少女が姿を現した。
「私は『プリティア四聖』が一人、『プリティア青竜』。改めて言うわ。その宝玉を私に渡しなさい」
……ふむ……。この娘も先の朱雀のように話が通じない可能性がる。
我はそう考え、手にした宝玉を、
「欲しければ、自分で取ってくるがよい!」
明後日の方へと投げ、プリティア青竜──朱雀と同じく以後は青竜と呼ぶ──の前から逃げる!
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