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「マルちゃんと池田君はうまくいったかな。」
私はポツリと言ってみた。
「リア充は爆ぜればいいんだよ。」
「池田君は自爆ならあり得るもんね。ストレートに言えば成功するのに、こねくりまわして失敗しそう。」
「あー、ありうるね。池田君だしね。」
「私も、リア充になりたいなー。」
「…海さんも好きな人いる感じ?」
「いるよー、隣にいるよー、いるんだよー、気づけよー、ばかなのかなー」
私は彼の肩をつかんで思いっきり揺らした。あわあわ言って、コーヒーをこぼさないように死守してる。
「おいこらコーヒー守ってないで、返事カモン!フルなり、焼くなり好きにしろ!」
もはややけくそで、謎のテンションで乗り切るしかなかった。
「…僕も、自分の趣味を語ってもいいと思うくらいに、海さんのことが好きでした。すきだ、です。」
「…おうおう、なら私たちリア充ってことでいいのかなー!」
「い、いいともー!」
「よっしゃー!」
わーーっと私がこぶしを突き上げると、コーくんも一緒に突き上げてくれた。そのあとどうすることもできない沈黙の間があって、お互い笑ってしまった。
「はー…初めてのリア充だ。」
しばらく笑った後に、コーくんがつぶやいた。
「私もだよー。」
そう返すとコーくんは、意外って顔していた。…なんだよ、わるいか。
そのあとはお互いの趣味の話を続けた。
もう少しで夜空に水族館ができそうだ。
見えない月を探して、無性に会いたくなった。
よるは更けていく。
マルちゃんと池田君が帰ってきた。……マルちゃんの機嫌が悪そうだ。池田君、どんまい。次回に持ち越しかな。
先輩たち、姉御さんは望遠鏡を片付け始めていた。隊長は結局起きなかった。今日はもうお開きかな。カツオを描いた星も、位置がずいぶん動いていたた。
「それじゃあお休み。」
「うん、また明日。」
それぞれのテントに向かい、テントでは報告会が始まった。私は寝不足を覚悟した。
後日、私はコーくんと二人でキャンプに来た。今日は満月の予定だ。
今回は二人で一緒に集めた月の話を肴にして、月見酒と洒落こもうじゃありませんか。
もちろん、ふたりで絵を描くことも忘れずに。
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