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「それよりももうすぐ推しの誕生日なのよ。楓ちゃんも一緒にカフェ行かない? 特別イベントやっててね……」
話が推し活に脱線しそうだったので、続いて他の人に聞いてみる。
「懐いていたよ、大好きだっていつも言ってたよ」
「そうそう。あれだけ大切に育てていたのだからそりゃあ懐くよねえ」
しみじみと語る二人。自分のことよりも紫乃さんのことが気になる情報だ。
「紫乃さんってそんなに私を大切に育てていたんですか?」
「うん、夜泣きが激しいときも、紫乃さんちゃんと付き合ってあげてたもんねえ」
「和装じゃなくてスーツや洋装が増えたのも、楓ちゃんの育児の間の変化だよね」
「え、紫乃さん似合わないから和装は着ないって私に言いましたけど」
「あはは、筑紫の神様が和装着ないわけないじゃない。もちろん好きで洋装になったのはあるだろうけどね。あの見た目だし」
「そ、それもそうですね……」
意外かつ重要な情報だった。私は身を乗り出して聞いてみる。
「……私、もしかしてかなりきちんと育児されてきた感じですか?」
「そりゃそうだよ。生まれてすぐに引き取ってたからね」
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