第四章・蓬莱を求めて

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「学校行事は全部出ていたし、おむつだって替えてたんじゃないかねえ」 「完全にお父さんじゃないですか。待ってください……じゃあやっぱり記憶を失う前の私も、お父さんとして懐いていたってことですか?」 「さあねえ。聞いたことはないねえ。でも仲良しだったよ」 「まあ深く考えなくてもいいんじゃないかい? 紫乃様と楓ちゃんはずーっと仲良しだったから、まあこれからもそうなるんじゃない?」  参考になるような、ならないような言葉で纏められた。  結局元の自分の情報はあまり得られないまま、私は羽犬さんが働くカウンターの中へと戻る。  私を慰めてくれるつもりなのか、食材、主にフルーツがわらわらと私に寄ってきた。 「ありがとう、うきはの宝石たち。……うーん、羽犬さんはどう思います?」 「楓ちゃんと紫乃の関係? ばり仲良かったよ」 「皆さんそう言いますよね。でもそれって父親として? 別の感じ?」 「んー、俺からしちゃ正直今とあんまり変わらんかなあ。まあなんでもいいとやない?」 「そう言われると気にしすぎのような気もしてきました」  赤ちゃんの泣き声がしたので、後ろをちらりと見る。
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