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ハイドの目を見つめ、ウィルクスはかすかにうなずいた。
「……はい。おれを、あ、あなたの性奴隷にしてください。あなたのためならなんでもする。は、恥ずかしいことも、い、い、いけないこともします。痛いことは、あまりしないでいてくれると、う、嬉しいですが」
真っ赤になって、決死の覚悟で心の奥底を打ち明けたウィルクスに、ハイドは穏やかで優しい。
「痛いことなんてしないよ。嫌なら、いつでも拒んでくれ。それは君の権利だ」
「じゃあ、性奴隷って、いったい……?」
「君はセックスで、ぼくを慰め悦ばせる。そして君自身も愉しい思いをする。それが性奴隷の仕事だ」
ウィルクスはうつむいて、唇を噛んだ。ハイドの手がパジャマの上着を脱がせようとしてくるので、ウィルクスの顔はみるみるうちに真っ赤になる。ウィルクスは顔を隠して、
「そ、そ、それくらいなら、できそうです……」
ちょっとだけ、強がってみた。
ハイドに耳を噛まれる。
「っ、ひぁ」
変な声が出てしまって、ウィルクスは恥ずかしくて堪らなくなった。噛まれた耳を押さえると、ハイドはその手を舐めた。熱く濡れた舌が皮膚を這う感触に、ウィルクスの背骨はぞくぞくと淫靡に震える。すでに、脚の間が力を得て硬くなっていた。
切なく身を起こしたその肉塊を、ハイドはパジャマのパンツと下着越しにゆるく包み込む。
「う、あ」
性器にビリビリと快感が走って、ウィルクスは腰を揺らした。ふぐりがじんじんする。全身がむずむずして、ウィルクスはハイドにしがみついた。細めた焦げ茶色の瞳から涙がぽろぽろと零れる。また咳き込みそうになって、慌てて奥歯を噛んだ。
ハイドが耳元で、低く囁いた。
「君は若いね。これだけで、もうこんなになってるんだな」
「っ……」
上手い返しなど思いつかない。顔を隠して、耳まで真っ赤になって、弱々しく肩を上下させるウィルクス。ハイドはくすっと笑った。
「それとも、敏感で淫乱だから? だからこんなにすぐに反応してくれるのか?」
ウィルクスは涙を浮かべていたが、それでもきつい目でハイドを睨んだ。
「おれは、び、敏感でも、い、いいいい淫乱でもない。あ、あなたこそ、す、す、助平じゃないですか」
「ああ、ぼくは自分で自分が好色だと思うよ。乙女には嫌われるな」
「乙女って、おれのことですか?」
「ああ。君は処女だろう?」
ウィルクスは言葉を返せなかった。実際その通りだが、肯定するのも恥ずかしいし癪だし、だからと言って否定はもっとできない。
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