6.ゆっくり踊ろう◆

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 ハイドの目を見つめ、ウィルクスはかすかにうなずいた。 「……はい。おれを、あ、あなたの性奴隷にしてください。あなたのためならなんでもする。は、恥ずかしいことも、い、い、いけないこともします。痛いことは、あまりしないでいてくれると、う、嬉しいですが」  真っ赤になって、決死の覚悟で心の奥底を打ち明けたウィルクスに、ハイドは穏やかで優しい。 「痛いことなんてしないよ。嫌なら、いつでも拒んでくれ。それは君の権利だ」 「じゃあ、性奴隷って、いったい……?」 「君はセックスで、ぼくを慰め悦ばせる。そして君自身も愉しい思いをする。それが性奴隷の仕事だ」  ウィルクスはうつむいて、唇を噛んだ。ハイドの手がパジャマの上着を脱がせようとしてくるので、ウィルクスの顔はみるみるうちに真っ赤になる。ウィルクスは顔を隠して、 「そ、そ、それくらいなら、できそうです……」  ちょっとだけ、強がってみた。  ハイドに耳を噛まれる。 「っ、ひぁ」  変な声が出てしまって、ウィルクスは恥ずかしくて堪らなくなった。噛まれた耳を押さえると、ハイドはその手を舐めた。熱く濡れた舌が皮膚を這う感触に、ウィルクスの背骨はぞくぞくと淫靡に震える。すでに、脚の間が力を得て硬くなっていた。  切なく身を起こしたその肉塊を、ハイドはパジャマのパンツと下着越しにゆるく包み込む。 「う、あ」  性器にビリビリと快感が走って、ウィルクスは腰を揺らした。ふぐりがじんじんする。全身がむずむずして、ウィルクスはハイドにしがみついた。細めた焦げ茶色の瞳から涙がぽろぽろと零れる。また咳き込みそうになって、慌てて奥歯を噛んだ。  ハイドが耳元で、低く囁いた。 「君は若いね。これだけで、もうこんなになってるんだな」 「っ……」  上手い返しなど思いつかない。顔を隠して、耳まで真っ赤になって、弱々しく肩を上下させるウィルクス。ハイドはくすっと笑った。 「それとも、敏感で淫乱だから? だからこんなにすぐに反応してくれるのか?」  ウィルクスは涙を浮かべていたが、それでもきつい目でハイドを睨んだ。 「おれは、び、敏感でも、い、いいいい淫乱でもない。あ、あなたこそ、す、す、助平じゃないですか」 「ああ、ぼくは自分で自分が好色だと思うよ。乙女には嫌われるな」 「乙女って、おれのことですか?」 「ああ。君は処女だろう?」  ウィルクスは言葉を返せなかった。実際その通りだが、肯定するのも恥ずかしいし癪だし、だからと言って否定はもっとできない。
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