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ヘイデンの目の前には、フォーンが200世帯、約500人が集まっていた。
更に、上杉金三、ムビジ・アンカラが、2名残されていた。
ライルはいないようだが、それでも。ありがとう。
この、置いてけぼりにされた、2人の武者が、全てを握るのだ。
「よく集まってくれた!儂はヘイデン・クリストファー!越中の安心!佐々内蔵助成政である!」
たった500騎足らずだが、行けるのか?
さにあらず。征くしかないのだ。
「その方達に告げる!我らが妖精王!織田前右府信長、要するにお館様は、今ニューヨークで人民の為に戦うておる!その隙を狙って、ルークウッドとビショップ!ダークエルフとシティーエルフの勢力が、漁夫の利を狙って、ランドに戦火を巻き起こそとうとしておる!本来!ランドの秩序の守り手である、要するに警察の役割を担うはずのエルフが、この様である!いずれ、どちらかが国の覇を狙って、必ず攻めてこよう!もし!ここが戦場となったら、その方達はどうする?!惨めにエルフにつくばうか?!同胞を守る為に戦うのか?!」
そつ突き付けられて、答えたのは、サキーチだった。
「そげなこと言われても、オラ達は、ただの百姓だべ。セタっ公から守ってくれたのは嬉しかっただが」
「そうじゃ!サキーチ一家は、揃って刃を突き付けられ、猟銃で狙われた!その恐怖は、決して消えることはない!儂とてそうだ!ダークエルフに弓矢をもって狙われ、射られ、腸を樹に巻き付けると言われた!それは、怖かった!凄く怖かった!」
かつてヘイデンにそれをした、ダークエルフの早百合は、いたたまれなさそうにしていた。
だって、痴漢されたんだもん。
早百合、ユーラはモジモジしてそう思っていた。
「だが!儂はニューヨークのティーン、ヘイデンであると同時に、内蔵助として生きてきた武士でもある!儂は確かに見たのだ!恐怖の中に、神のもたらした光景を!エルフの!クロッチの狭いおぼこパンティーじゃ!それで問いたい!主等は、恐怖の先に見える、女神の如きパンティーという名の勝利を、得たくはないのか?!」
話題が、実にけったいな方向に向かっていた。
上杉とムビジは、お前は何を言っているんだ。という空気を出していたし、ユーラは、今すぐ夫の腸を、ぶちまけたくなっていた。
だが、フォーン達は、異様に猖獗していた。
ああやっぱり。ヘイデンは、見事に理解していた。
フォーンのおっさんと小僧って、見事に、スケベばっかりだった。
女フォーンは、パンティーって聞いてムラムラした男達を、一様に殴りたそうにしていた。
「更に、儂は手にしたのだ!この、決して外すことのない、最強の切り札を!」
ヘイデンは、手を出した。
素早く、アモと化したピクシーが、掌に、一発の弾丸を顕現させた。
ブリーチを折って、素早く装填、100ヤード先に生えていた樹から、ヒラヒラと、1枚の落葉があった。
一切無駄のない狙いで、落ち葉が撃ち抜かれていた。
「同じような力は、既にここにある!ご老公!」
「やれやれ、ドワーフ製の種子島じゃ。しめて、600丁」
「老いも若いも、男も女も関係ない!1人、1丁手に取るのだ!」
おっかなびっくり、銃で武装でしたフォーン達が、並び直していた。
一部、取り返しがつかないようなことをした気もするが、銃武装した、心優しい百姓の集団があった。
「儂は、初めてこの地に着た時、既に思うておったのだ!見事なまでに開墾、間伐された森と大地を!主等が、自ら作り上げたこの村こそ、1億両の黄金にも勝る、フェアリーの至宝であると!主等はフォーン!足腰が、特に強い一族だ!本来、儂が住む越中とは永遠の宿敵である、上杉謙信の越後勢は、兵農半々で、最早異次元の戦を可能としておる!ほとんど戦闘民族とすら呼べる越後勢の強さは、それあるとさえ言える!戦い方は、銃の撃ち方は、儂と、上杉、ムビジが教えよう!5歳の童子が、騎馬兵を打倒する、驚天動地の勝利を!主等にやろう!共に征こう!勝利への道を!この、ドキドキフォーン村こそが、新たな儂等の、安心たる!越中の地となるのだ!」
勝利を!勝利を!
一部、パンティーと叫ぶ声も聞こえたが、何にせよ、フォーンの戦意は高まっていた。
要するに、フェアリーランドに、突如、越中国の建国があったのだった。
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