フェアリーランドへようこそ

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フェアリーランドへようこそ

 馬糞まみれになったヘイデンが、コッソリ着替えに行こうとした時、さっきの馬と、少年をアッサリ発見した。  あれ?何でいるの?  さっき、シェーンみたいに去ってったのに。 「え?何してんの?君?」 「だから、大人しくしろって。あ?今、こいつにエサやってんだ。キャベツな?」 「馬が、キャベツ?って言うか、それ、ポーク入ってない?」 「キャベツしか、食わねえんだこいつは。って、大人しくしろよ!バイコーン!」  え?バイコーンって。そう言えば、 「うっすら、角が生えてる?」  へえ。それで、少年がこちらに顔を向けた。 「やっぱな?お前、見えてんのか?っつうか、こいつが落ち着かねえ理由が解った。ボロ落とせよお前。それで、こいつが盛ってんだ。さながら、ミルフがBBCに盛るようにな?馬並みに、尻からやられたくねえだろうが。全く。ちょっと目を離すとこれだぜ」 「よく解らないけど、その馬、君のかい?」 「あん?その言い方は正解じゃねえな?こいつはな?俺の領地から抜け出したんだ。普通、こいつ等は俺の領地で生きてんだ。そんで、俺に何かあったら、俺の呼び声に応える義務があるんだが。勝手に抜け出しやがったんで、ハムにでもすっか?お?急にすり寄りやがって。現金な奴だな?前は」  首を撫でながら、キャベツの豚バラミルフィーユを、生で食わせている。  本気で、何が何だか。  普通、馬はポークを食ったりしないし。キャベツも怪しいし。  不意に、光輝く光点が、少年を取り囲んでいた。ヘイデンの周りにも。 「これって、まさか、ピクシーかい?」 「へえ。ホントに見えてんだな?お前。ピクシー共、そいつにちょっかい出すなよ?で?何だ?」  光点の中の1つ、見た目のイメージそのままのピクシーが、少年の前で、スカートを上げて挨拶していた。 「栄えある、妖精王陛下に申し上げます。先日お見かけになられた、グラマラスな人妻とは、どうなりましたので?」  無数のピクシー達に、プゲられる男って一体。 「放っとけ!それで?!また誰か逃げ出したのか?!」  ああ。ピクシーは、恭しく言った。 「おいたわしや陛下。(わたくし)でよければ、いつでもティターニアになる準備がございますのに」 「うるせえよ。殺虫剤ぶっかけるぞお前。で?」 「姿を消ししは、フェアリーランド1の荒くれ者(ラスカル)、セタンタでございます。この国は、未成年からセクシャルを遠ざける、未開の国ではありますが」 「そりゃあ、イギリスも一緒じゃねえか。ポッターが学校の森で、ダチ公の母ちゃんと青姦キメてソソクサと出てきたこと、あんのか?」  そんなポッター、誰が読むんだ? 「確かに。ただ、我が邦のラスカルは、少し違います。あの童貞は、師匠のスカアハのお尻に、固いものをこすり付けて、おっぱいを揉みしだいたり、台所の床を磨いていた、シルキーを押し倒して、ウウェーイとレイプしようとてフライパンで殴打されたり、ヘアリージャックが仔犬を生んだ時、妙に大きい仔犬がいたと思えば、それはジャックの毛皮を被ったセタンタで、お母さんジャックのおっぱいを独り占めしたりして、世間では、全く白い目で見られております」 「話長えよ!セタンタがシルキー押し倒すとことか、要るかそれ?!まあ、シルキーのケツは、妙にそそられるもんがあるが」 「まあそんな感じで、セタンタの童貞は、ムラムライライラしてまして。この前なんか、水場で水浴びしていた私達を、ハアハア言いながら、イチモツ握ってまして。もうこれは、陛下に処断をお願い出ようとしていましたところ、妙な魔剣に心を奪われ、パパセタンタに重傷を負わせ、ママセタンタの尻を、一頻りムニムニして出奔いたしました。今は、どこで何をしているのやら」  その時、タイツ姿の男性ピクシーが、こっちに飛んできていた。 「陛下!セタンタの居所が、判明いたしました!猟銃を抱え、頭に蝋燭を刺し!無差別に村人を狙っております!」 「都井睦雄みてえな奴だな」 「まるっきり、ツヤマケースみたいだ」  津山三十人殺しを知っているアメリカ人は、ニューヨークでは、彼くらいだった。 「津山事件、知ってんだな?お前。どんだけ日本に詳しいんだ?」 「転生したら、織田の黒母衣になりたい程度には」  ヘイデンは、けったいな願望を口にしていた。 「ただなあ?放っとく訳には行かねえな?ただでさえ、調子が悪いっつうのに、これ以上、カリバーンを荒らさせるわけには、行かねえな?ああ、お前も来いよ。フェアリーランド、見てみたくねえか?」  フェアリーランドって、一体。 「まあ、都井睦雄は何とかしないと。俺は、ヘイデン・クリストファー」 「ライル・グリフィス・コティングリーだ。じゃあ、いくぜ?」 「え?いきなり、どこに?」  だから、ライルは言った。 「フェアリーランド。だよ」  それで、ライルは、地面に剣を突き立てた。  ヒルトが赤く光輝き、ヘイデンは、吸い込まれていった。  転生先は、越中だといいなあ。  ヘイデンは、その姿を忽然と消していた。
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