クラスの人気者

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ゲーセンに入った瞬間、騒がしい音が耳に刺さる。 ゲーム機の音、それに負けないように大きな声を出す客、流れるアニメコラボの放送……。 耳を覆いたくなるような騒がしさの中、私は長谷川くんを探してキョロキョロと辺りを見渡した。 どこに行ったんだろう。 私はクレーンゲームが並ぶ通路を歩いていく。 お菓子が並ぶ魅力的なゲーム機の列には見当たらない。 よく分からないおもちゃや文房具が景品の小さなゲーム機の前にもいない。 ぬいぐるみやフィギュアがガラス越しに私を見ている。 この辺りはアニメ系の景品のようだ。 「あ」 数台向こうに、見覚えのある制服が見えた。 私はすぐ前のゲーム機に隠れ、長谷川くんの様子を窺った。 真剣な顔で景品を見つめていたかと思うと、徐にスクールバッグの中から財布を取り出した。 お金を取り出し、投入口に押し込んだ。 ボタンを操作しクレーンを横に動かす。体を動かしてアームの位置と景品の位置を確認していたかと思うと、ボタンを押してアームを奥に動かした。 「あらら」 一回目では取れなかった。 続けてボタンを操作したことから、先ほど押し込んだお金は500円玉だったようだ。 彼はさっきと同じように体をずらして景品の位置を確かめ、クレーンを動かす。 ――ガタン。
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