クラスの人気者

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一方的に話を切り上げた私を、長谷川くんはぽかんとした顔で見下ろしていた。 いい加減私の質問に答えて欲しいんだけどなぁ。 「ふふ、あはは! ありがとう、山下さん」 「どういたしまして。それで――」 「うん。取り方だよね。これはね……」 長谷川くんは意外にも、丁寧にクレーンゲームの取り方を教えてくれた。 欲しかったぬいぐるみをいつもより安くゲットできた私は、大いにはしゃいだ。 「すごいすごい! 私にもできた!」 「おめでと」 じゃああれはどうやって取るの? と違う景品を指させば、彼は律儀に教えてくれた。 そのあとも景品を取りまくった私たちは、休憩がてらゲーセン内にあるベンチに座って自販機で買ったジュースを飲んだ。 「まさか長谷川くんがこんなにアニメ好きだったとは。キャラクターの名前を普通に言っても全部通じたの嬉しすぎる」 私はほくほく顔で呟くように言った。 「そう?」 長谷川くんが苦笑いで答える。 私は同意の意味を込めて何度も頷いたけれど、彼は苦笑以上に笑ってはくれなかった。 「本当は、結構アニメ好きだし、グッズは集めちゃうタイプなんだよね。アニメショップで買うよりゲーセンの方がゲームも楽しめて好き。けど……周りから見た俺ってそういうイメージじゃないみたいで……」 まだそんなことを言ってるの、と言いたかったけれど、そんな風に冷たく言い返せる雰囲気ではなかった。
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