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わたし
新井崎 亜美
「わたしの可愛い妹から、その手を離して!」
その顔面に往復ビンタしてると、魔女は妹を離し
顔面に貼りついたわたしを
両手で掴まえてきて、ひっぺがそうとしてきた!
魔女
ララリリム
「離れろぉお!アンタ!
アタシを誰だとっ!」
魔女と、もみ合ってたら
大きな足音が聞こえてきて
魔女も、そちらに顔を向けた。
妹
新井崎 紗由
「おねーちゃん!」
さっきの大きなクマが来て
妹を鷲掴みにした!
わたし
新井崎 亜美
「こら!この毛むくじゃら!
その子を離しなさい!」
わたしは、魔女から離れ地面に着地して
そちらに駆け寄ろうとしたんだけど
蛇の尻尾のような魔女の下半身
その尾先で凪払われて
わたしの体は地面を転がり、土煙があがった!
妹
新井崎 紗由
「おねーちゃん!おねーちゃん!!
いやだああ!はなしてぇえええ!」
妹の声が遠退き、聞こえなくなった頃
土煙が収まったんだけど…
もう、毛むくじゃら野郎の姿も
醜い魔女の姿も、どちらも無くなっていた!
わたし
新井崎 亜美
「…また、見失った…」
くうぅう…もう少しで、助けられたのに…
悔しくて、しばらくその場に、うなだれていたけど
わたしは服のホコリを払いながら立ち上がる。
村長さんの手記には森の中、その奥にある
丘に、魔女の家があると書いてあったけど
広い森の中を、当てずっぽうで
突き進むワケにもいかない…
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