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赤鬼
雅 帝雲
「私は、雅 帝雲
この孤島にある村の村長だ…
最初から、説明するのがめんどうなのだが
君は、私の手記を読んでくれてるだろうか?」
わたしは、頷く。
わたし
新井崎 亜美
「はい、読みました。
魔女と対峙した時、そのお姿に…」
雅さんは、頷いた。
赤鬼
雅 帝雲
「ああ…それで…
なぜ、この姿になったのか
個人的に調べてみたら…
家の屋根裏に、古い家系図を見つけたんだ
どうやら私は鬼の家系のようでな
しかし、人間と交わり続けた結果
その鬼の血も薄まったらしい。
古い手記には、危機的状況や
怒りによって鬼の血が濃くなると書いてあった。」
それで、鬼の姿に…
わたし
新井崎 亜美
「なるほど、そう言うことだったんですね。
ところで…
このハンカチは、いったい何処で?」
雅さんは、部屋の真ん中に
設置された囲炉裏のそばに座り
吊るしてある、鍋のフタを開く。
赤鬼
雅 帝雲
「ああ、丘の上にある、魔女の家へ
行く途中で見つけたんだ、食べるか?」
鍋の中には七草粥が入っていて
食欲をそそるような、香りがして
雅さんは、木のお茶碗に七草粥を
お玉で注ぎ、木のスプーンと一緒に渡してくれた!
わたし
新井崎 亜美
「ありがとうございます!」
わたしは、それを受け取って、雅さんの横に座り
囲炉裏の回りに、串に
刺さった焼き魚や五平餅があった。
赤鬼
雅 帝雲
「いいんだこれぐらい…
ところで君は、あのクマが連れ去った
おなごに似ているな。」
雅さんは、七草粥を食べながら
こちらに顔を向けてきた。
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