わたしがいるべき場所は

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わたしがいるべき場所は

 あれから、八年の月日が経ち、児童養護施設から出なければいけない歳になってしまった。 「由麻、行く場所あるの?」  十八になったわたしに知らされた事実はあまりにも切なくて寂しいものだった。 「うん。待ってくれている人がいるから」  児童養護施設の玄関を出て、踵を返し一礼する。今までありがとうの一礼を込めて、わたしに話しかけた女の子に大きく手を振って。 「仁奈(にな)、今まで友達でいてくれてありがとう!!幸せになりなね」  彼女もまた生い立ちがあるだろうけど、悲しいことは聞かないことがお互いの幸せだと気づいた。いつか、大人になって話せるときがきたらその時に話そうねって約束してある。そして、施設に背を向けると門扉の前で佇む人に向かって走り出す。 「ただいま!!あんずさん」 「おかえり、由麻」  ずっと、かかさず面会にきてくれていた関屋さん。八年前より一回り小さく見えたけれど、お節介な性格は変わらない。  わたしは関屋あんずさんの養女になることを決めた。
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