一ノ章

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十六夜から「元気があるなら湯浴みをして寝室にこい」と言われ屋敷の中がよくわからないのでムクとミクに案内してもらった。 生贄の榛名の部屋は先程寝ていた6畳程の小さな部屋になった。 十六夜の寝室の前に立つと深呼吸をした (抱かれるんだ……これが生きるため…生きるためなんだ!) 覚悟を決め、襖を開けた 「失礼致します」 『来たか』 十六夜は寝間着の浴衣を胸元まで開け、色気たっぷりで榛名はドキッとしていた。 『着ているものを脱げ』 「は、はい」 緊張しながら脱ぎ、十六夜の待つベッドの中へ入ると十六夜から激しいキスをされ、首筋にもキス跡を何個もつけた。 数分間の激しいキスに満足したのか榛名を離した。 「…っ!……はぁ……はぁ……」 息を吐けないほど激しかったので息苦しそうにしていた 『まだ序の口だ。そんなんでは俺は飽きてしまうな』 「…申し訳ございません」 十六夜は榛名の肩を抱き寄せた 『朝は早い。寝ろ』 「えっ…」 『なんだ?口ごたえか?』 「あ、いえ」 (覚悟したのに……) 榛名は十六夜の匂いを嗅いでしまう (十六夜様…いい香り。……そういえば牢屋にいた頃は床で寝てたっけ……ベッドなんて10年ぶり……) 十六夜の香りと布団の心地良さで寝てしまった。 『寝たか…』 十六夜の目には執着心が宿っていた。
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