一ノ章

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「お待たせしました」 『ああ。左手を出せ』 榛名が恐そる恐そる左手を見せると、十六夜は手を取り左手の薬指に指輪をはめた。 「指輪?」 『お前が俺様から逃げないように俺様の神通力で作った指輪だ。俺様以外外せないし、どこに逃げようとも見つけられる』 「あの…左手の薬指の意味、ご存知ですか?」 『なんだ?』 「左手薬指に指輪をはめるのは婚約者とか結婚相手に愛の誓いとして渡すものですね…」 『人間の世界の話だろ?俺様たち神には関係ない』 「そうですか……」 ちょっとドキドキした自分が恥ずかしい榛名 指輪はムーンストーンのような小さな石がはめ込んであった。 十六夜は龍神の姿になる 『俺様に掴まることを許す。落とされるなよ』 戸惑いながらも龍の頭あたりにまたがり、角に掴まると、そのまま飛んでいった
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