一ノ章

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しばらく移動し、どこかへ着陸した。 「……ゼェ……ゼェ……う"っ!」 榛名は乗り物酔いをしてしまったようだ。 『だらしがないな』 「うぅ…申し訳ごっ…!!」 人の姿になった十六夜はスーツ姿だった。 高身長でスタイルが良く、肌はほとんど見えないスーツなのに色気がある そんな十六夜に酔った事を忘れ、見惚れてしまった。 『何かおかしいか?』 「いえ!とても素敵です」 数分歩くと人がチラホラいた。 榛名はビクッとなり怯えてしまう。 島の住人達から罵声や石を投げられた記憶が蘇っていた。 『ここは見てわかると思うが、東丿島ではないし、ここにいる連中は霊力なんてない。…お前の事なんて気にしないぞ』 「はい…」と自信なさげに呟き、十六夜についていくと、ショッピングモールがあり、外には旗や出店があった。 「お祭りですか?」  『違う。ここは商業施設が沢山入った建物だ。毎日賑わっているそうだ…と、店の者に聞いている』 「毎日お祭りなんですね…」 榛名はいまいち理解できてなかった 『お前の衣食を整える為に来たんだ』 「え!生贄になんかそんな事していただかなくても!私、お金持ってませんから!」 慌てて遠慮したのだが 『言ったはずだ、健康体くらいに肥えてもらわないとな。金なら神獣とはいえ持っているから安心しろ』 (あ…) 恋人繋ぎをし下から上まで建物内をまわることにした。
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