一ノ章

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食事が終わると十六夜はフロアの人気のない場所に行くと買い物した荷物を投げた。 「え!」と思っているとムクとミクがコッソリと荷物を運んでくれていたらしい。 一生懸命運んでいる姿が可愛らしくてほっこりする。 「…痛っ!」 靴ずれをしていた 急遽、屋上に行き、ベンチに座った。 『絆創膏だったか?手当て用品買ってきてやる』 「いえ、大丈夫です。私、怪我や病気はすぐ治るんです」 榛名にも理由がわからない力だ。 『そのお前の力は神通力によるものだろうな』 「神通力?霊力じゃなくて?」 『お前には霊力は全くない。霊力はアヤカシが強さを示し能力を発揮するが、人間は霊力の強弱くらいはわかるだろうが、何の力もない。神通力は俺たち、神と神獣が使う力といえばわかるか?霊力より格上なのが神通力だ』 「私、ただの人間なのに…」 『島の住人の中に神通力を持つ者が稀に生まれるんだ。だが霊力の強弱程度しかわからない人間には神通力を持っている者を判断はできない。神通力を持つ人間は何かしらの能力が備わっている』 「治りが早いのは神通力の特殊能力ってことですか?」 『そうだ。神通力しかないお前はかなり特殊なようだながな』 少し無言になってから話を続けた 『神通力があるということはお前は神子になれる…つまり東丿島の神子は俺様の番になれる資格がある』 「え…」 顎をクイッとあげ、親指で榛名の唇をなぞる 『俺の番になってみるか?』 十六夜のまっすぐで真剣な顔に胸の高鳴りが止まらなかった。 「い…十六夜様が……お、お望みなら……」
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