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東丿島は正月を迎えた。
正月は島の住人たちが神代家に集まり、宴会を行う。
住人たち以外は番を迎えたアヤカシも参加する。
神代家の一族は神と東丿島の守り神である龍神に捧げる舞いを披露をする。
榛名は本家で働くため、年1度だけ湯浴みと綺麗な和装を着る事を許された。
だが、今年は違っていたのだ。
「きゃははははっ!忌み子ごときが島の役に立って良かったじゃない!」
「まったくだ」
雪愛と翼は楽しそうに大笑いしていた。
「ちょ…やめて…んぐっ!……んーんー!!」
榛名は男たちに囲まれ、服を脱がされ動けないように手足、口を縛られた。
「ん~~!んー!!」
突然の事で暴れる榛名
「うるせぇ!島の厄介者が!!」
腹を蹴られ痛みで声がでないでいると、雪愛は榛名の顔を何度も何度も蹴ったり、グリグリと踏みつける。
「アンタは学校すら通わせて貰えなかったから知らないんだろうけど、150年に一度、龍神に生贄捧げなきゃいけない掟なの。で、その生贄にアンタが選ばれたってわけよ♪」
(生贄……?)
「お父様!おやめください!私が変わりますから!榛名さんをこれ以上イジメないでくださいませ!」
光希は慌てて父親に懇願するが「忌み子は島に不要」とあしらわれた。
(光希様…)
榛名は光希に向かって笑った。
榛名が船に乗せらるまで光希は両膝をつき顔を覆いながら大泣きし何度も「ごめんなさい…ごめんなさい…」と嘆いていた。
(光希様…本当にありがとうございました)
自分なんかに泣いてくれた人がいただけでも嬉しかったと感謝し覚悟を決めた
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