一章

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「…んっ………っ…」 和彦にキスされる 「……」 「………?」 和彦の様子がおかしい。 キスされながらも体の力が抜けていくようだった。 「か、和彦さん大丈夫ですか?フロントに連絡しますね!救急車ァ!」 「…ごめん。のぼせた…だけ…だか…ら…」 焦っている澪に心配させまいと笑いながら応える 「肩貸しますからベッドまで頑張れます?んぐぐ!」 澪は力の限り和彦を引っ張る なんとかベッドまで運んでタオルで体を拭き、脱ぎすてられたバスローブを着せる 「お水飲めますか?」 「ん…澪ちゃんから口移ししてくれないと飲めないな〜」 「これだけ元気なら飲めますね」 水のペットボトルを手に持たせる 和彦は「水より冷たい〜」と文句をいいつつ、水を飲む 「ご気分はどうですか?」 「う〜ん…」 伸ばした腕でベッドに引き寄せ、抱きしめる。 「うん、気分最高だね☆」 澪は内心ドキドキだった。 (和彦さん、元気そうでよかった…でもこの体勢ってあの…このまま…よし!キスされてもスイング!スイングして交わそう!私は軽くない!体だけは守るんだから!) そんな事を考えていた 「澪ちゃん…」 強く抱きしめられ、あと数cmの距離に和彦の顔がある。 「ごめん…少しだけ…このままで…」 和彦は目を瞑り寝てしまった 澪はドキドキしながら体は守れてホッとしつつ、和彦の顔を眺めた。 (本当に綺麗な顔…喋らなければ王子様フェイスなのに) 澪は思い出す、吉田さんの言葉を。 『ちょっとヤンチャな子でね〜祖父も父親も早く結婚させて落ちつかせたいんだって』 和彦に何度もキスされたりお風呂に入った事も思い出す (あっ…ヤンチャってそうゆう……これからどうしようぅ〜) そんな事を思いながら澪もウトウトしてしまう
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