一章

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「…ちゃん…澪…澪ちゃん!」 ハッと目を開ける。どうやら寝てしまったようだ 「あ、ごめんなさい寝てて…」 「うんうん、オレの温もりがそんなに良かったんだね〜」 またキスされそうになる 「スイング!」 スイングという名の軽いビンタだ。 「痛って〜」 女子としては恋人でもない相手にキスされるのは嫌なので正当防衛のつもりだ。 「私は軽くありませんし違います!」 「わかったから着替えなよ」 澪はタオル1枚のままだった。 脱衣所に置いたままのスーツに着替えて部屋に戻るとスーツ姿の和彦がいた。 (わあぁ…) 思わず声が漏れそうになる。 スーツマジックというやつだろうか、先程の軽い感じではなく仕事出来るエリートマンだった。 澪は見惚れてしまった 「じゃあ帰ろっか?」 「は、はい」 「敬語はなしって言ったでしょ?キスするよ?」 「駄目で…駄目だよ」 ホテルを出る 「澪ちゃん、家まで送るよ」 「大丈夫、一人で帰れるから」 ため息をつきながら澪にキスをする和彦 「ね?」 「また…っつ!ぬぅ〜…お願いし…するね」 「うん、よろしい」 駐車場に着くと高級車があった。 「車で来たのにお酒飲んだの?…」 「気づいてたんだ…もう酔いも覚めたから大丈夫だよ。澪ちゃんの介抱のおかげでね」 車で送ってもらう中 「澪ちゃんの好きな食べ物は?」 「澪ちゃんの好きな色は?」 「澪ちゃんの好きなタイプは?」など質問攻めに合う。 答える澪だが、逆に澪が質問すると答えを濁されてしまった。 「あ、ここで大丈夫だから、送ってくれてありがとう」 「うん」 車を停め、降りる。 「澪ちゃん、また会ってくれる?まだお見合い(違う意味で)してないしさ」 「…」 「また不服そうな顔しないの。今度、連絡するよ」 そう言って和彦は帰って行った。 「連絡って…」 カサッ ポケットに紙が入っていた。 中には連絡先があった (いつの間に…)
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