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二章
帰宅した澪は部屋の隅で体育座りをし和彦の連絡先が書かれた紙を眺めていた
「刺激が強い人だったな…あとキス魔…」
「ある意味愛情表現豊かな人だったのかも…でも女性慣れしてそうだしなぁ〜結婚したら苦労しそうな感じだし〜うぅ〜」
頭を抱えながら床にゴロゴロした
「って期待しちゃダメ!」
澪は思い出していた家族のことを。
澪が3歳の時に妹の夏姫が産まれた。
夏姫が成長とともに顔の形成が出来上がりつつある頃に両親は夏姫の可愛い顔に気づいた。
元々、少し甘やかして育てたからか、美少女な上に甘え上手で両親はそれが可愛くてたまらなかったらしい。
澪の事は放置されるようになった。
澪は自分にかまってもらいたい、自分を見て欲しいと願い、勉強もスポーツも更には生徒会長をしたり絵画や作文コンクールで賞を貰える程に努力し頑張った。
だが両親は『こんなことくらい誰でもできて当たり前だ。この程度で自慢するな!恥さらしが!!』などと罵声を浴びせられた。
逆に夏姫は自分が美少女であることに自信を持ち、美容など自分磨きを優先し、勉強を怠ったがテストで赤点取ろうが両親は頑張った!と褒めちぎる。
たった一度だけでも両親に褒めて貰いたかった、澪の願いは夏姫とのあからさまな差を見せつけれ叶うことはなかった。
ありがたいことに教師や友人に恵まれていたし両親の代わりに褒めくれたので変わらず努力を続けた。
高校生になりすぐに初めて彼氏ができた。
入学式の時に一目惚れだったらしい。
澪は初めての彼氏に浮かれ喜んだ
…が、
なんと夏姫が澪の彼氏と知った上で奪い取った。
その後、傷付いた澪に同情したのか幼馴染が彼氏になってくれた。幼馴染は家庭事情を知っているから安心していたのだが、またしても夏姫に奪われる。
抗議したが、両親が自分と姉の澪との扱いの差に気づいた夏姫は澪を虐げ、都合が悪くなると両親を味方につけて澪を悪者にし悲しむ澪を笑い者にしていた。
澪の彼氏を奪ったのも嫌がらせの一環だった。
抗議した時も同様に両親は夏姫を庇った。
澪は自分のような甘え下手より美少女で甘え上手の世渡り上手が幸せになるんだろうなと恋愛を諦めた。
また奪われ裏切られるならしないほうがマシだと。
だから絶対裏切らないペットを飼った。
頭の後ろにハートマークが特徴のメスのセキセイインコだ。
だが勝手に訪問した夏姫に窓から捨てられた。
今回もまた裏切られたり、奪われたりするのでは?と澪は恐れた。
「月曜日に吉田さんに報告しないと……」
そう呟きながら澪は眠りについた
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