二章

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男性の名前は金剛田権造(こんごうだごんぞう)。 年齢は51歳。 大手有名企業の社長で実家は財閥らしい。 趣味は女遊びとギャンブル狂で酒豪。 更に酒豪だが飲み過ぎると女性に暴力を振るうとか。 声が高く滑舌が悪いのでたまに聞き取れない。 澪とは仕事で見かけた事があり、すぐに気にいったとか。 澪は頭が真っ白だった。 (名前も凄いけど…初対面で女遊びとかDV男を暴露とか凄い…これは結婚できないタイプ…) (てかこんな見た目が特徴的な人、すれ違ったら覚えてるよ!いつ見かけたの!御曹司って若い人じゃないんだ…) 「で、澪はお気に召したでしょうか?」 「もちろんでしぇ」 「ではお約束の件は…」 「娘しゃんにお話ししましたきゃ?」 澪は父親を見る。これ以上なにかあるのかと 「実はな、金剛田様は長男で跡継ぎが欲しいそうなんだが、さっき話したように中々縁に恵まれず、そこで結婚相手の家族に高額な支援をしてくださる事になったんだ」 「そうよ。私たち家族に結納金名目で1億円、子供1人産むごとに5000万円!1人目が産まれたらお祝いとして数億円の豪邸をいただけるのよ!澪、貴方の旦那様は素敵な方でよかったわね」 「…………」 澪は言葉が出ない。 目の前が真っ白から真っ暗になった。 「それでは婚姻届と契約書でしぇ」 まだ夫となる欄は白紙の婚姻届と何か書いてある契約書を渡された。 「さぁ、書くんだ。澪は自慢の良い子だからな」 「家族4人が幸せになれるわ!」 「む…お姉ちゃんは家族想いだもんね」 (………じまんのいいこ……かぞくの……しあわせ……かぞく-…--) 澪は何も考えられなかった。 虐げられて育った澪は家族扱いされて嬉しかったのだ。 虐げられ都合の良い時だけ家族だと言って、その子供を金で売る…最低な家族だったとしても、 家族の一員になりたい、両親に褒められたいという呪縛が澪を縛っていた 澪は婚姻届と契約書にサインをした。 そんな澪たち家族を金剛田(?)は冷たい表情で見つめていた
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