三章

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✱✱✱✱✱✱✱    ✱✱✱✱✱✱✱   ✱✱✱✱✱✱✱ 聖臣の専属メイドになった澪。 (メイドとか…ちょっと憧れてたんだよね) 今後は聖臣の自宅に住み込みになる。 澪が務めていた会社は百目鬼財閥の力で一応、休職にしてくれた。 メイドとしての最初の仕事は明日の朝食作りからだ。 聖臣の車で一度、澪の自宅に戻り最低限の生活用品など取りに行くことに。 「ここ馬小屋だろ?」 「違いますよ」 荷造りを始める…と言ってもカツカツの生活をしていたので荷物なんてほとんどない。 聖臣は写真を手に取る。 「お前はインコか何か飼ってたのか?」 「はい、頭にハートマークがあって可愛い女の子だったんです」 「死んだのか?」 「…妹に捨てられました。探したのに見つからなくて…小さい子でしたから生きてないかもですね」 「そうか、悪かった」 聖臣は何も言わず荷造りする澪を眺めていた 家具などは明日、業者に頼むそうだ。 車に荷物を積み、聖臣の自宅に向かう。 「た、聖臣様は明日の朝食のリクエストありますか?」 「ない」 「食材は何が残ってますか?」 「ない」 「え、普段どうしてるんですか?」 「外食だな」 まともに外食ができなかった澪には羨ましいかぎりだ。 「とりあえず食材の買い出しいきましょう」 「…ああ」 聖臣は好き嫌いがないらしく食事面は大丈夫そうだ。 (あとは味か…)
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