三章

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「こっ、これが伝説のタワマン!?」 「何を驚いている?」 「一人暮らしの部屋じゃないよ〜」 自宅に案内されると更に驚く。 タワマンの最上階のフロア全てが聖臣の自宅だった。聖臣の話だと本家の本邸に比べれば犬小屋レベルだとか。 「ここがお前の部屋だ。使用人だから一番狭い部屋にした」 「…」 もう驚きすぎて言葉がでない。 与えられた部屋は20…いや、30畳くらいの広さだった。 「荷物を置いたらリビングにこい。大雑把(おおざっぱ)だが仕事の説明してやる」 「はい」 リビングに辿り着く…部屋の構造がわからなさすぎて迷ったのだ。 『ピィピィッ』 鳥の鳴き声がする。よく見ると… 「ヴィクトリア!!」 「びくとりあ?」 「良かった…生きてたんだね」 『コンニチハ〜ミオダヨ〜』 「うんうん、澪だよ」 『ミオタン!』 嬉しくて涙を流した。 「聖臣様!助けていただきありがとうございます」 「ああ…それよりヴィクトリアとは?」 「この子の名前です。ヴィクトリア・エレガントビューティー1世!」 「…センス悪いな」 澪とミオ、紛らわしいので「ヴィクトリア」が正式な名前になり、飼い主は聖臣になった。 借金返済まで住み込みなのでいつでも会える。 とても大切にしくれているので任せらると判断した。 細かい事は明日にしてとりあえず澪の仕事は聖臣の自室以外の全部屋の掃除、食事や買い物など全ての家事を行う。 もちろん家事にヴィクトリアの世話も含まれた。 あとは家事とは別に聖臣の身の回りの世話をする。 お給料も出るのでそこからある程度の金額が溜まった時に返済することに。 「俺の子を産むならチャラだぞ?」 「お断りします」 「ほら」 「ぶはっ」 乱暴に何かを投げる。 袋を恐る恐る開けるとメイド服だ 白のブラウスに黒のスカートのメイド服。 ミニスカートとロングスカートの2種類で胸元のリボンはピンクと水色のこれも2種類あり、可愛らしい 「可愛いです」 「そうか…明日から着てくれ」 「はい。なぜ持ってらっしゃるんですか?ま、まさか趣味…」 「違う。部下に準備させただけだ」 (明日からどっち着ようかな)
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