一章

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2日後、旧友に連絡を取ったと吉田さんが報告してくれる。 「旧友に連絡してお孫さんもノリ気だそうでね。ああ、これがお孫さんの写真」 渡されたのは二十代前半くらいの金髪の青年だった。凄く優しそうな綺麗な顔立ちで凛々しい。ハーフだろうか、そんな印象だ。 「わあぁ。すっごく綺麗な人。お見合いなんて必要ないんじゃないですか?」 「う〜んそれがね。…ちょっとヤンチャな子らしくてね、祖父である旧友も父親も早く結婚させて落ちつかせたいんだって」 「ヤンチャ…?」 「澪ちゃんは仕事も出来るししっかり者だから薦めたんだ。それから……」 吉田さんは申し訳なさそうに 「先方に君の写真を勝手に渡してしまったんだ。ほら、会社の飲み会の時に皆で撮ったのが何枚かあったやつなんだけど……」 すまないと謝罪する 「いいえ。お見合いするのですから相手側にも必要ですし気になさらないで下さい」 「ありがとう。日取りなんだけど今週の土曜日でお孫さんと2人っきりで食事なんだけどいいかい?」 「はい」 「これはお孫さんから場所や時間指定が書かれた手紙渡しとくね」 吉田さんと別れた後、手紙を開ける。 中には日時指定と場所が書かれている。 そして 『みおさん。写真を拝見させていただきました。こんなに素敵な方と早くお会いしたく、急な日取りで申し訳ござません。僕と貴方の素敵な未来をきづけますよう願っています  百目鬼和彦』 手書きのメッセージがあった。とても綺麗な文字。 (優しそうな感じだし…この人となら暖かい家庭作れそう。お見合い期待しちゃう!) 「ひゃ…ひゃくめきさん?ひゃくがんおに??」 苗字が読めないのが問題だ………
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