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しばらくすると澪が目覚めた。
「澪ちゃん、大丈夫?」
「…私倒れたんだ。おかげさまで元気になりました。ご迷惑かけてごめんなさい」
「いいよ、悪いのは兄貴なんだし」
「あの…聖臣様は?」
「呼んでくるよ」
部屋の外にいた、聖臣を呼ぶ。
和彦は部屋の外で待つことにした。
「澪…体調はどうだ?」
「元気になりました、ご迷惑かけてすみませんでした」
「…お前は悪くない。今回の件は全て俺に非がある。申し訳なかった」
聖臣は床に土下座をした
「え?た、聖臣様っ!?いいえ、私が悪いんです。私は聖臣様の言いつけを守れませんでした…私を子を産む道具として使ってください……」
「…その事もういい。澪に伝えなければならない事があるんだ、聞いてくれ」
「はい」
「まずお前の家族だが、罰として海外の僻地に送った。二度と戻らないだろう。そして結納金という名の契約金は返金させた」
「な、なぜ僻地なんかに?」
「少し前に妹が澪に接触しにきただろう?あれは契約違反だったからな。それに俺と和彦は澪の家族が許せなかったんだ」
澪は見切ったとはいえ喜ぶべきか悲しむべきか複雑だった。
「だからお前は俺の専属メイドをしなくていい…それと戸籍上での夫婦関係は終わりにする」
「そんな…!ではなぜ先程、メイドの抜き打ちテストや私を道具だとおっしゃったのですか!」
「それは……恥ずかしい話だが、今回の件があるから正直に言わなければな」
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