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そうだ。たしかに迷惑をかけた。
しかし、覚えていることはどこまでが妄想で、真実なのかもわからない。
サンカイザー? 対戦車ヘリコプターの外側に乗る? 神隠し?
どれも現実感がない。
それでも、妻と2人で約束した。
友笑と有村くんの交際は認める。
今後の経済的なことも含めて支援していく。
そうしたら。
「私たちの生活が、貧乏生活だって言うの?!
ここはね、東京の、しかも高級住宅街の実家とは違うの。
お金さえ払えばお店の人がニコニコしてくれるのがあの街なら、こっちは少ない予算で、お客さんに好きになってもらわなくちゃならない!
でもそれが面白い。うれしい!
いつまでも、私をあんたたちの所で縛り付けないで! 」
そして、返事も許さず叫び続ける。
「今、お腹の中に修さんの子どもがいるの。
この子に、あんたたちは必要ない。
帰ってよ! 」
しかし有村くんは、困惑していたように見えたが?
身に覚えがないのかもしれない。
もしかしたら、子どもができたと言うのがでまかせなら。
しかし友笑の叫びは、私たち夫婦から考える気力を奪った。
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