緑白山滴サンカイザー

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 尾がレーダーのようになっていて、使うときは尾を天にのばすと言う。  サンカイザーとは別の神なのか?  あの、白い山頂の神話か。  夏にもかかわらず、本当に涼しかった。  そして標高によって変わる自然環境。  美しい、御来光。  そこを怒りに駆られて登ったことが、つくづく愚かしい。  ・・・・・・まて。  あんなに広く、雪に包まれた峰などあったか?  そこから天にのびる、柱のようなものが見えた。  光の加減でうつる、雲の影かと思った。  影が、グニャリと歪んだ!  私の腰が浮く。  シートベルトがなければ、椅子から転げ落ちそうになる!  影が、地に下りる。  まるで、獣の尾のように!  峰の雪がまるごと、地面から剥ぎ取られて天にのぼる!  雪ではない。  峰をバサリとおおっていた、2枚の鳥のような、白い翼?  翼の下で峰の地面が、割れて宙に浮く。  赤い地面が。  その地面は、独自の足を持ち、地面の端では上下に2つにわかれて・・・・・・。  口だったんだ。  その口が開いたとき、凄まじい叫びが飛行機ごと空を揺るがした気がした。  でも違った。  叫びは、自分の口からでていた。  
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