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名前も知らない木
◎名前も知らない木
公園にあったシンボルと言ってもいいほどの巨木が切られた。
他の樹木と違い花壇の中とかではなく変な位置に生えてたからもしかするとここが公園になる前から生えていたのかもしれない。
むしろ、この木の周りに人が集まり子供が遊ぶようになり公園になったのではないだろうか。
大きくなりすぎて電線とか危なかったのかもしれないが、その木の切られた公園はなんとなく寂しかった。
僕は切り株に座ってみた。ぎっしりとした年輪が、地中でのばして道路のコンクリートにヒビを入れている長い根っこが「まだ生きてるぞ」と言っているようで、命の力強さを肌で感じた。いつかこの木はまた伸びてくる。
いつの日かこの公園のシンボルとしてきっとここに復活する。そう信じれる生命力がこの切り株にはあった。
がんばれ、名前も知らない──木。
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