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僕は、その笑顔に見惚れちゃった。
「どうかされましたか?」
女の人が不思議そうに首を傾げる。
いけない、いけない!
僕は良い機会だから、お団子食べながら、お薬屋さんの場所を訊いてみようと思った。
「うん!良いよう!」
「じゃあ、参りましょう」
2人並んで歩き出す。
背はどうしても僕の方が低くなっちゃう。
でも、それはしょうがない。
僕は小人症だから。
「その花、綺麗だねー」
「売り歩いて、その日の賃金にしているんです」
「そうなの?後で僕も買って良い?」
「はい!ありがとうございます!」
女の人は、とても嬉しそうに微笑んだ。
そういえば名前は何て言うんだろう??
そう思った時、お団子屋さんに着いた。
「あーら、茜(あかね)ちゃん!今日は可愛い子と一緒ね!許婚?」
お店の人が出てきて、僕の隣の女の人に言った。
茜ちゃんっていうんだ…。
茜ちゃんの許婚の男の人は、とても幸せだろうなぁ。
そう思っていると茜ちゃんが首を振る。
「そこで偶然、出会ったんです。落ちた花を拾ってくれたから、お礼をしようと思って」
「ぶつかっちゃったから、落ちたお花を拾うのは当然だよう!」
「まあまあ、立ち話も何だから、座って!お団子とお茶、用意するわね!」
お店の人が奥に引っ込んで、僕と茜ちゃんは並んで座った。
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