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そんな事を考えながら、中に入ると、先ずは鈴木の姿を見つけた。
どうやら、香澄とベッタリって訳じゃ無さそうだな。
俺は内心、安心した。
鈴木は、既にこの短時間で、本を何冊か抱えている。
「凄いねー!鈴木くん、この本、全部、読むのー?」
山村が興味津々といった感じで鈴木に訊くが、ちと声がデケー。
「山村。店の中だぞ。静かにしろって」
俺は、そう咎めたが。
「大丈夫でしょう。今は、お客様の姿も、ほとんど見えませんし。お金を払うのは僕達なんですから」
それは、そうかもしれねーが。
鈴木の山村に対する甘さは、今に始まったことじゃねーからな。
その時、香澄が重そうに何冊かの本を持って、コッチへやって来た。
鈴木もだが、香澄も結構、本読むからな。
俺は鈴木と山村の間を擦り抜けると、香澄の元へ行く。
「香澄。重いだろ?レジまで代わりに持って行くぜ」
「ありがと、千夜くん。でも、まだ見てない所も有るから…」
俺は香澄から本の束を受け取ろうとした。
一番上は、古ぼけた歴史書みてーな本だった。
と、香澄が。
「あ!これも!」
と、余所見をして、本の束が傾いた。
と、横積みにされてた一番上の本が滑って、床に開いた状態で落ちた。
その途端に、開いた本から、まばゆい光が発生して、俺達4人を包み込んだ。
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