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眩しくて、余りにも眩し過ぎて、目を開けていられねー。
「うわー?!何も見えないよう!」
山村の悲鳴が小さく聞こえたかと思うと、俺は…俺達は、意識を失った。
まるで、何かにぶっ飛ばされたような感覚。
そして、降りたった先は…。
「ちょっと何?この子達の格好」
「見たこと無い格好してるな」
光が収まり、目を開けると、俺達は、我が目を疑った。
古本屋の中にいた筈が、いつの間にか、京都の時代村のような場所に俺達全員、降りたっていたのだ。
周りの建物も、道行く連中も、まるで江戸時代のような風貌をしている。
まさか、あの歴史書から、こんな所に飛ばされたのか?
どいつもこいつも、俺達の服装と髪型が珍しいのか、ジロジロ見ながら往来している。
「千夜くん…何だか怖いわ。私達、どうしてここに居るのかしら?」
香澄がしがみついてくる。
俺は安心させるように香澄の細い身体を抱きしめた。
「これは不可思議な現象です」
鈴木は本の束を抱えながら、興味深そうに眼鏡のツルを上げた。
「皆の注目を浴びちゃってるよう。僕達、タイムスリップしちゃったのかなぁ??」
山村も訳が解らねーというように、キョロキョロと辺りを見渡している。
その時だった。
「おい、そこの4人。何奴?!」
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