運命の扉〜いざ江戸へ!

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「綺麗だな…香澄」 俺は思ったままを言った。 香澄の恥じらう姿は、まさしく天女だ。 山村もポカーンと口を開けて、見惚れている。 鈴木が顔を赤らめながら、ゴホンと1つ咳をした。 「そ、それでは全員揃ったところで、先程の老人の部屋に案内してもらいましょう」 「は、はい。こちらです」 丁稚が廊下を歩いて行く。 俺達4人も、それに続いた。 「旦那様。お客人の着替えが終わりました」 「入ってきなさい」 中から爺さんの声がして、丁稚が座ったまま、襖を開ける。 中は意外にも必要最低限のものしか置いていなかった。 丁稚が襖を閉め、廊下を去っていく気配がする。 俺達はローテーブルを挟んで、爺さんの対面に座った。 「そなたたち、この時代の者ではないな?」 爺さんのド直球な質問に、俺達全員、図星で固まる。 やがて、鈴木が切り出した。 「僕達は書物を扱うお店に居ました。ですが、その内の一冊が床に開いて落ちた途端、この時代に飛ばされてしまったのです」 鈴木は、そこまで言うと、抱えていた本の束を「僕達の時代の書物です」と言って、爺さんに差し出した。 爺さんは本を一冊一冊、眺めていたが、やがて言った。 「書体が我々の時代と違うな。眼鏡よ、翻訳してくれないか?我々の時代の字をそなたに教えよう」
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