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「私の誕生日に、接待だと言って不倫相手とラブホ?」
「なんで今更終わったことを蒸し返す」
「私とはセックスレス半年だった。真奈美さんとは1年前からしてたのよね?」
「初めは定期的にじゃなくて。月に1度だけの関係だった。嘘をつかないという契約前の話だ」
「去年のクリスマスは、真奈美さんの子供たちとパーティー?確か忘年会があるって言ってたわよね。ゴルフも、出張も全て真奈美さんと会うための嘘だった」
「クリスマスは彼女の旦那が仕事で帰れなくて子供たちが可哀そうだったからだ。接待が全て嘘ではない。出張もしかりだ」
「箱根に温泉旅行にいったのね。部屋に露天風呂がついていたらしいわね。一人一泊8万円だっけ」
「嘘をつかないという契約書を書く前の話だ」
「私のネックレスとお揃いの物を彼女にプレゼントしたわね。後、ブランド物のバッグも欲しいと強請られて買ったんだっけ」
「全て自分のカード決済にしている。同じ金額を現金で雪乃に渡す」
「全部、真奈美さんがSNSにご丁寧に上げてるから、食べたレストランや泊まったホテルも全てわかっているの」
「ああ……確認した」
「あなた、こんなに私を裏切って、それでもまだ結婚生活を続けようと思っているの?」
「雪乃がいなくなるなんて考えられない」
「私をそこまで想っているのなら、離婚して」
「……無理だ」
康介さんは意地になっているようだった。
契約書なんて書くんじゃなかった。
離婚しないなんて言うんじゃなかった。
雪乃は今、大いに後悔していた。
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