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僕が悪いのだから。
「…………はあぁ、そろそろ寝よ」
月の光が仄かに差し込むある夜のこと。
大きく欠伸をしながら、ポンと僕を放り横になるご主人さま。まあ、痛くはないんだけどね。ベッドはふっかふかだし。……ただ、そうは言っても――
……今日も、読んでもらえなかったな。いや、それでも開いてくれただけ嬉しいんだけど……それでも、僕の言葉を……いや、文字を見るやいなやその表情は途端に険しく――
……でも、ご主人さまは何も悪くない。だって、悪いのは僕――この世に生を享け数百年、未だ世界中の誰にも理解してもらえないような文字ばかりが羅列されてる僕が悪いのだから。
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