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「……あ、あの、僕、これから用事が……」
そう、覚束ない声で答える蓮月くん。僕を手に店員さんに呼びかけていたあの時とはまるで違う、ひどく覚束ない声で。そして、そのまま後ろを振り返り――
「――おいおい、待てよ蓮月、つれねえなあ。俺ら、友達だろ?」
すると、いつの間にか接近していた背の高い男の子が蓮月くんの肩を掴みながら尋ねる。……でも、違う。友達はそんな意地悪な表情しないし、そんな乱暴な掴み方もしない。……なのに、僕は何も出来ない。助けたいのに、僕はあまりにも無力で――
【「――あっ!」】
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