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私たちが住んでいるマンションは、いわゆる1LDKと呼ばれている物件だ。 玄関を入ると、まず右側に、脱衣場及びシャワー室。そのまま廊下を奥に進むと、右にキッチンとなる。
しかし、このキッチンは、更に奥にあるリビングの方向を向いてる。つまり、対面キッチンと呼ばれている形の台所なのだ。
そして、突き当りが十畳のリビングとなっており、キッチンの上が、ロフトとなっている造りだった。
篠宮さんの部屋に入ると、私と全く同じ造りの部屋のはずなのに、少し広い感じがした。
それもそのはず、私の場合はリビングにベッドが置かれているが、篠宮さんの部屋にはベッドが無い、つまり篠宮さんはロフトで寝ているのだろう。
私は、ロフトで寝るのが面倒なので、もっぱら、ロフトは荷物置きとなっている。
ロフトは、夏場かなり暑い事から、私と同じような使い方をしている人は、少なく無いのではなかろうか?
しかし、リビングにベッドが有るか無いかでは、部屋の広さの感じ方が全く変わるものだと、つくづく実感した。
そして、何よりこの部屋が広く感じるのには、ある要因がある。
……そう、それは、……この部屋は、物が少なすぎるのだ。
何も無いのだから、部屋が広く感じるのは当たり前の事だ。
よく、この装備で生きて行けると、私は感心してしまった。
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