11人が本棚に入れています
本棚に追加
「篠宮さん……この部屋って、なにも無くないですか? 閑古鳥が鳴いてますよ!」
「三宅さん……閑古鳥って……お店じゃ無いんですから鳴きませんよ」
篠宮さんは、私にしっかりとツッコミを入れながら、キッチンへと向かう。
冷蔵庫を開けて、食材を取り出した所を見ると、何かを作り始めるのだろう。
……そして私はというと、初対面の人の部屋に上がり込んだは良いものの、何をして良いのか全く分からず、時間を持て余していた。
なにせ、この部屋にはテレビも無いのだから……。
暇な私は、何か面白い物でも無いかと、もう一度、部屋の中をぐるりと観察して見る。
すると、部屋の角に、バスタオルで覆われているケージが在るのを発見した。
……はて、あのケージの中身はなんだろう?
暇人の私は、興味本位でケージへと近づき、ケージの中を覗いてみた。
すると、中には動物が一匹お座りをしていた。
これは……ウサギ!?
……うっ! かわいい。
ウサギは、薄い灰色の毛並みをしており、耳が垂れ下がっている。
大きさは、子供動物園とかで子供が抱っこしているサイズと同じくらいに見える。
最初のコメントを投稿しよう!