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「あぁ、フライパンに、水を入れるってやつですよね」
篠宮の顔が、少し悩ましくなる。
「……まぁ、そうなんですが……当たらずとも遠からずと謂った感じでしょうか」
「当たりませんでしたか?」
「えぇ、バターの量と水の量が、普通より多いんですよ」
「へー。……でも、そうすると、フライパンの中に、水余りませんか?」
「余りますよ。ですから、蒸し上がったら、水は捨てるんですよ」
「……! なるほど。水を捨てるって発想は、私には無かったです。いつも蒸発して、無くなる程にしか、入れないので」
「……そうですね。大体の人はそうじゃ無いでしょうか。でも、それですと、少し白身が固くなっちゃうんですよ。ですから、僕は、少し水を捨てるくらいが好きですかね」
うん。確かに、こっちの方がフワフワしている気がする。
話を聞く限りだと、然程難しくはなさそうだ。今度私も、チャレンジしてみよう。
次に私は、半熟の黄身を箸でつついて、とろけ出る黄身を、パンに付けて食べた。
ん~、このトロける卵と、パンは絶妙な味よね。
たまに、食べたくなる味なのよ、ラピュタパン。
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