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「篠宮さんも、たまに食べたくならない?」
「えっ……急に、何ですか? 話が、全く見えないのですが……」
「だから、ラピュタパンって、たまに食べたくなりませんか?」
「ラピュタパン? 何ですか、それ」
ガタッ!
私は、驚きと共に、椅子から立ち上がる。
「なっ、篠宮さんは、ラピュタパンを知らないのですか? 日本人でラピュタパンを知らない人なんて、居ませんよ! 篠宮さんは非国民です!」
「……いゃいゃ。いきなり、パンを知らないってだけで、非国民呼ばわりされても困るのですが……最近流行りのパンですか?」
「最近じゃ無いですよ。ずーっと昔のパンです!」
「……昔?……何だろう? 僕にはラピュタって、具材もクリームも知らないのですが……」
「ふぅ……やれやれ、篠宮さんは、頭が固いですね。そんなんじゃ、天空の城に行けませんよ」
「……よく分かりませんが、固くて結構です。……ところで、頭の固い人のコーヒーは飲みますか?」
「是非!」
私は、コーヒーを注文すると、再び、席に座った。
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