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箱庭遊戯。
それは神々と高位の人外たちが作り上げた特別な箱庭の世界。幾重の世界の空間一部を切り取って、転移回廊で迷路染みた形で無理矢理繋げた特別な国であり、領域。
それらを管理しているのは、人外の王の八人と各種族高位六位以上の者たちだ。
円卓の上にはいくつもの階層を重ねた箱庭が、ホログラムのように浮かび上がる。この箱庭の特徴は、全て白に基調した建物や風景が多い。各階層に向かうには、転移回廊という特別な道を通る必要があるが、それは全て迷路に設定している。
作った人外たち独りの趣向によるものだ。
円卓の席に力を持つ人外たちが集結している。その中で統括するのは魔族の王、死神、竜王、大天使と様々だった。
それぞれ今回の箱庭遊戯が始まると聞き、席に着いていた。空席もあるがこの四人が集まれば、遊戯は開始される。
聖女候補として迎え入れた駒が、どのような顛末を迎えるのか、あるいは聖女となり得るかを、それぞれ賭けるのがこの箱庭遊戯の趣旨だった。
そして円卓の場に関わる者たちも、人間やら他の生き物に擬態して箱庭である程度自由に動くことができるようになっている。駒である聖女候補と接点を持つことも、試練を与えることなども条件をクリアすれば自由だった。
「さて駒は出揃った。箱庭遊戯を始めるとしよう」
けして大きな声ではなかったが、それだけで静まりかえった。
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