0人が本棚に入れています
本棚に追加
今日こそ森角にプロポーズする。そして気の置けない友達にも紹介して、人前式を挙げる!
仕事終わり、横断歩道で赤信号を待ちながら鼻息荒く拳を握る。
だらだらとした同居生活から、新婚生活にランクアップするんだ! これからは気を引き締めて森角を守り、幸せに過ごす! 周囲から反対されても冷たい目を向けられても、俺が愛し抜く!
存在を確認するようにスーツのポケットを一叩き。ここには森角への指輪が入ってる。
同性恋愛は昔と比べると受け入れやすくなっているが、それでもまだ立ちはだかる壁は多い。それをこれから二人で乗り越えていくための指輪。一生守り抜くと誓う証拠。
……いや、指輪だけは寂しいかな? ケーキとか花束とか添えた方が森角、もっと喜んでくれるかな?
今度は顎に指を添え、うーん、と唸る。
そんな耳に激しいエンジン音が飛び込んできた。真っ白な光りが視界を焼く。
あっと思う間もなく強い衝撃が体を襲い、意識が消えた。
最初のコメントを投稿しよう!