5話 山口市の神社

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5話 山口市の神社

鈴が倒れて2日目 13時 尊が、病室に戻ると… 時間は、まだ13時だった。 ―――まだまだ神社に行ける。 尊は、スマホの写真を開いた… 写真だらけだ… ずっとスマホをスワイプする。 ―――おっ、あった神社… それは、3月に行った。 山口市の神社だ… この時は、湯田温泉にある女将が有名な 旅館が空いていたから 急遽、行ったんだった。 ずっと、鈴が行ってみたいって言っていたから… それで、翌日に山口市を観光したんだ… 駐車場に車を停めたところに 大きな朱色の鳥居が見えた。 でも、行く所があったから… 後から、行ったんだった。 ―――よし、行ってみよう。 尊は、写真の上に石を置いた… そして、目を閉じて… 目を開けると… そこには、大きな朱色の鳥居が見えた。 鳥居をくぐると… だいぶ先に本殿が見える。 でも、その前に…見えたのが ○○写真館という古い建物だった。 それが珍しくて… ―――俺は、写真館の写真ばかり撮っていたんだ… そこは、抑えてっと… 先へ進むと本殿が見えた。 ここは、大正6年に国指定の重要文化財になっているのか… 大内弘世が、応安2年(1369年)に京都から歓請(かんじょう)したもので 御祭神は、素盞鳴尊(すさのおのみこと)稲田姫命(いなだひめのみこと)手名槌命(てなづちのみこと)足名槌命(あしなづちのみこと) ニ間社流造り(にけんしゃながれづくり)で屋根は檜皮葺(ひわだぶき)。永正年間に建立された当時のままで、室町時代の特色を今に伝える。 13個の蟇股(かえるまた)があり、その形の優美さ、珍しい図柄、花や果物、雲などの彫刻が注目されているらしい。 ここは縁結びの神様のようだ。 違う方向を見ると… もう1つ鳥居があった。 入口が二つあるみたいだな… ここまで来る道に、石が沢山転がっていた。 鈴が持って帰った石も ごく普通の石… ―――とりあえず、置いてみるか… 尊は、本殿に石を置いてみたが… やっぱり反応はない。 転がっていた石の中にも置いてみた。 しかし…石は光らなかった… 3月にここに来た時のことは… 今のように思い出せる。 劇場を見て、すごく楽しかった。 その後で、女将と写真を撮ったんだった… 大学生がアルバイトで劇場に出ていて… それが、すごく上手だったから… びっくりした。 後で、部屋に戻ってから 2人で、色々な話をした… 本当に楽しかった。 鈴と行く旅行は、いつも楽しい… 時々、大変な山を登るとか すごい歩かされるとか、あるけど… すごく楽しい。 ま、俺は…要するに鈴と一緒にいるのが楽しいんだ… そんな鈴が居なくなるなんて、考えられない… ―――絶対に、鈴を助ける! ―――よし、帰ってまた次の神社に行くぞー そう思って、尊は鈴の病室に戻った。 すると… 尊は、そのまま眠っていたらしく… 話し声で目が覚めた…
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