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見せてやるよ。と、そのまま視聴覚室まで来た。問題の教卓のところまで、まっすぐに歩いていく。
「ほら。見て」
私は胸元まである長い髪を押さえながら、教卓の中をのぞき込んだ。
すると、教卓の下には板が一枚渡してあって、その上にそれこそ定規や消しゴム、何かの紙切れなどが置きっぱなしになっていた。中は確かに暗いけれど、奥行きも教卓の前に張られた板のところまでしかないみたいに見える。
「え、これが何」
「手を中に入れてみてくれる」
「え……」
本当に、ここが、こんなところが、未来につながっているっていうの?
だとしたらこの手を中に入れたとたん、私はこことは全然違う世界に、翔太が言うところの「未来」に、飛ばされてしまうってこと?
「ちょっと、怖いんだけど」
「でもちなみ、信じてくれないじゃん」
「そりゃ、そうだけどさぁ……」
「やってみてって。じゃあ、手をつないでいてあげる」
「それが何か効果あるの」
「あっちに行くの、止めれるかもしれないじゃん。それに、あっちに行ったとしても、二人なら怖くないだろ」
「そう?」
「そうだよ。現に、僕は戻ってこれたし。頼りにしてくれよそこは」
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