深夜26時、逢瀬を重ねる

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「……お前、もしかして“こっち側“の人間?」 あまりにも平然としすぎたのか、私のことを同類なのかと尋ねてきた彼に…思わず息を飲んでしまう。 ──…怖いっ、 毎日、近くで新次郎さんを見てきたから分かる。 理屈ではなく…感覚というか直感?多分この人は普通に社会で仕事をして、休日に出かけたツーリングでバイク事故を起こしてここに運ばれてきたような人では無い。 「長谷川さん…ね。これから仲良くしようか?」 裏社会の人間に知り合いなんて居ない。私が恋焦がれて毎日逢瀬を重ねているのは“タダの“新次郎さんだから。彼が何処で何をしているのか知らないし知りたいとも思わない。……だけど、、 目の前のこの男が本当に裏社会を生きるような人間なのだとしたら…私はもう少しくらい、新次郎さんについて知っておく必要があるような気がした。……何かあった時の為に。
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