深夜26時、逢瀬を重ねる

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布団の中で行為を続けた結果、酸欠のような状態になり…いつもなら体位を変えて何度か身体を重ねるところだが、今日は無理だと判断したのか… グッタリと力尽きた私を見て呆れながらも、彼はとても手厚く看病してくれる。 「辛いなら、そう言えよ…俺が強制して無理やり抱いてるみてぇだろ」 そんな事ないです、っと首を左右に振ってみせると優しいキスが額に落っこちてくる。 「お前…まじでバカだな。それでも看護師?」 ペットボトルにストローをさして、横になったまま水を飲ませてくれる新次郎さん。その優しさに甘えて普段口にしないようにしている言葉をぶつけてみる。 「……毎日、新次郎さんに会いたい」 そんなに、無茶なお願いだとは思わなかった。少し顔を見せてくれればそれでいいと思っていたからだ。 触れ合うことが出来なくても、彼にとって”おかえり”と言い合う相手は私であって欲しい…と願わずには居られない。
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