婚約破棄イベントが壊れた! 4話

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「そ、そうですわ! カリスタさまはいつも、マリーさまに淑女としての振る舞いを教えていました!」  おおっと、誰かが参戦してきたぞ! 「そうです! それに、カリスタさまはわたくしがペンケースを落としてしまったとき、一緒に拾ってくださいましたわ! マリーさまは無視していきましたのに! というか、マリーさまがぶつかってきたのに!」  それはマリーさまが悪いわぁ。 「ああ、確かに婚約者がいるのにやたらとべたべたしてきて、ちょっと……いや、かなり鬱陶しかったのを、カリスタ嬢が助けてくれた!」  ……そんなことあった……?  ねぇ、ちょっと待って。なんでそんなにわたくしが持ち上げられているの!? 「ほら、きみがしてきたことを、ここの学生たちはちゃんと理解しているんだよ」 「え、と……は、はぁ……。こ、こほんっ。マリーさま、これでご理解いただけましたか? あなたの(おこな)いは、この学園の学生として、相応しくありませんでした。己の行動をもう一度よく考え、反省し、淑女として恥じることのない行いをなさいませ」  これ、公開処刑されているのマリーさまじゃない? おかしい、わたくしは華麗に婚約破棄される予定だったのに。  はっ! もしかしてこのままいけば、わたくしが王妃エンドになってしまう! 待って、夢の平民生活は――!? 「ああ、やはりカリスタは美しいな。容姿だけではなく、その心すらも。ともにこの国を盛り上げていこう、カリスタ。わたしたちなら、それが可能だろう」
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