婚約破棄イベントが壊れた! 4話

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 ちゅっ、と唇に柔らかいものが触れた。  一気に顔を真っ赤にさせると、エリオット殿下が「やっとわたしのすることで赤くなってくれた」と嬉しそうに破顔する。  そして盛り上がる会場。待って、ねぇ、待って! これいったい、なにエンドなの――!? 「ひ、ひと、人前で口付けなんて……!」 「もう一度してほしい?」  光の速さで首を振った。  というか、わたくしのファーストキスー!  パーティー会場はもう、わたくしとエリオット殿下を祝福する場になっていた……  マリーさまに視線を向けると、すっごく白けた顔をされた……見たくなかった、見たくなかったよ、マリーちゃんのその顔は……! 「あーもう、ほんっとうにばっからしい。やんなるわー……」  そう言い残して彼女はパーティー会場から姿を消した……  結局、わたくしは婚約破棄されることもなく、卒業パーティーは予定通りに行われ、エリオット殿下と一緒にダンスを踊った。  それから、わたくしは自分でもおかしいと思うくらい、エリオット殿下を意識するようになってしまった。卒業してから接点が減るだろうと思っていたら、毎回パーティーに呼び出され、一緒に食事をしようと誘われ、むしろ接点が増えてしまった気がする。  ……このままだとわたくし、本当に王妃になってしまうんだけど……!?  それも満更ではないと思い始めている、自分が怖い……!
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