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夕食会では辺境伯様、辺境伯夫人、ケードリック様とその弟のサリド様、そして私の他に4人のご令嬢も同席した。
侯爵令嬢のセーラ様は最年長の19歳。ストレートの金髪で容姿が美しいだけでなく、気品があって所作が美しく是非とも参考にしたい女性だ。
公爵令嬢のリリア様は口数が少なく大人しい女性だけど、ふんわりウェーブの金髪に白い肌、碧い目で、まるで人形のような美しさ。
同じく公爵令嬢のスカーレット様はその見事な赤毛が示すように、気が強そうな女性。だけど大人しいリリア様をさりげなくフォローするなど、優しい方のようだ。
伯爵令嬢のオデット様は、黒髪巻き毛で元気が良く、歳も私と同じなので仲良くなれそうだ。
あと一人伯爵令嬢を招待したのだが、丁重にお断りされたらしい。
「本来ならおひとりおひとりご招待するところを、皆さんご一緒で申し訳ない。何分、私も息子も忙しい身でね。この時期の今しか時間が取れないのだ。ご令嬢方はこの3週間、存分にこの領地でのもてなしを楽しんでいただければと思うが、途中息子はご自身の結婚相手に相応しくないと判断されたなら、お帰り頂いても構わない。3週間と言わず1か月後に開催される収穫祭まで楽しんでいただくのもおすすめする。その間にどうか、ノーベルト辺境伯夫人としての未来の検討を、よろしく頼む」
夕食会では覚えたマナーをしっかり守り、その後のお茶会での談笑は笑顔を絶やさず聞き役に徹した。
部屋に戻る頃には気疲れからか、精も根も尽き果てていた。
こんな状態で、私は3週間もここで過ごせるのか不安になってきた。
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