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選ばれたのは……
ノーベルト辺境伯家での3週間が過ぎ、本日ケードリック様自ら各ご令嬢の部屋を訪れ、選んだご令嬢に結婚を申込むという。
コンコン。
部屋をノックする音に、私もナナも思わずビクついてしまった。
ナナが扉を開けると、笑顔のケードリック様が立っていた。
「お邪魔するね」
私はケードリック様を部屋のソファへ案内し、ナナはそこへ紅茶を運んできた。
「縁が無かった、というべきなのか……申し訳ない」とケードリック様は頭を下げる。
ズキン、と胸を冷たい氷の剣で刺されたような衝撃が走った。
「い、いえ。皆さん素敵な方ばかりですし……異論はありませんわ」と震える声で、スカートの裾をぎゅっと握りしめながら受け入れる。
「……両親は公爵令嬢のスカーレットを候補に挙げ、僕自身最初はガーネット、君を望んでいた。両親も僕が望むならと納得してくれた。だけど、3週間一緒に過ごしてきて……君とは結婚できない、そう思ったんだ」
え?は?どういう事?
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