当日

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当日

 大杉未来と杉下夢は待ち合わせ場所の新宿西口駅前ロータリーにいた大杉未来は山道も平気な車で待ち合わせ場所に向かった。  「おはようございます。先輩〜車の運転、途中で変わりますね。長い距離ですし〜」 大杉は言った「いいのいいの。車の運転が趣味だから。それに夢だった田舎暮らしだよ。今からわくわくしちゃうわ」 「先輩の車、随分大きいんですね。普段からキャンプしてるんですか?」  「最近は忙しくてできないけど時間があったら山に行ってソロキャンプするのよ。忙しい日常を忘れられて穏やかな気持ちになるのよ〜それに焚き火をすると心が落ち着くの。キャンプで飲んだコーヒーの味は格別よ」 新人の杉下夢は「そうなんですねー。活動的でいいですね」 大杉は笑いながら「今回は趣味と仕事両方いっぺんにできるなんて夢のようだわ。もう嬉しくて笑いが止まらないのよ。じゃあ乗って」  大杉未来は笑いが止まらなかった。 「そうなんですね。では出発お願いします」 「はい、任せておいて」 大杉未来は車内でも新人にソロキャンプの素晴らしさ向こうでも時間があればキャンプ場に行くなどの話を長々と話していた。  途中ドライブインに寄ったりガソリンスタンドに行ったり食事をしたりと思ったより時間がかかった。その為、山奥になんとか着いたのは夜の7時だった。  「やっと着いた。ここが(自分勝手村)みたい。 迷ったから遅くなったわ」 大杉未来は杉下夢が一年間予約したホテルの駐車場に自分の車を停めた。初日の日はまだ住居も決まってない大杉未来は杉下夢と同じホテルを予約していた。  二人はチェックインを済ますとそれぞれの部屋で途中のドライブインで買った食べ物を食べ始めた。  二人は次の日の早朝から村人達が住んでいる村の中心部に行く予定だった。  そして村人達の個性の塊のような住人や変わった子供達やペットが二人を驚かせる事になるとはこの時の二人は何も知らなかった。  「えっと明日は編集長が言った通りこの村の村長さんの自宅に行って挨拶をする事から始まりアパートを紹介してもらわないとね。  それにしても編集長が私に言った。噂の村の習慣と人間みたいな性格のペットってどういう事だろう?確か編集長も一度試しに来たらしいけど?仕事が忙しくてあまり長くいられなかったって言ってたけど、明らかに行きたくなさそうだったなー?  田舎嫌いなのかな?それに習慣とか人間みたいなペットの事を詳しく調べて記事にしてほしいって言ってたけど今、考えるとなんか編集長私達に隠しているような感じだったなー。まあ、私は嬉しいけどね。念願の田舎暮らし」 大杉未来は自分勝手村が特殊な風習がある田舎だとは全く思わず張り切っていた。  新人の杉下夢も自分勝手村の事を全く知らずに 「流石に東京とは違って空気が美味しい。このホテル温泉があるんだー。ご飯食べたら行ってみよーっと」と観光気分で喜んでいた。  次の朝、早朝からこの自分勝手村が個性溢れる人達によって成り立っている村だという事を目の当たりに二人はする事になった。  初めからこの村は変わっていた…… ペットでさえ変わっていた…… 続く  
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